【駅や鉄道が舞台のおすすめ本】こんな列車に乗ってみたい!ミステリーからSF、ファンタジーまで駅&電車小説・厳選11選!

前回、東京駅が舞台になっている小説紹介記事を書いたのですが、今回は、もう少し広げて、電車や駅が舞台になっている本を集めてみました!

通学電車から豪華寝台特急、異世界へ誘う不思議な列車などなど「こんな列車に乗ってみたい!」そんな駅&鉄道小説をご紹介します🚆。

 

 

キラキラ光る青春小説

キシャツー  / 小路 幸也

 キシャツーとは汽車通、つまり電車通学のこと。

北海道の田舎町で、海沿いを走る一両編成の電車で通学する高校生たちは、電車通学のことをこう呼んでいます🚃。

ある日、電車の窓から、砂浜にテントが張られているのに気付いた彼らは、好奇心から近づいてみると、テントの主は東京から来た少年・光太郎でした。

腹違いの姉を探すためにやってきた光太郎に、協力することにした高校生たち。夏の数日間を描いた青春群像劇です。

高校生たちがみんな素直ないい子で、北海道の田舎町ののんびりとした空気感が、彼らの人柄とリンクしている感じがしました。でも、実はバックグラウンドに色々と複雑な事情を抱えていたり、将来についての不安を抱えていたり・・。出会いを通して成長していく彼らの姿がまぶしいです✨。

海沿いをのどかに走る一両電車で通学なんて、うらやましいですなあ。電車じゃなくて汽車と呼ぶのがぴったり!「キシャツー」という響きも素敵ですね。 

でも、一時間に一本しかない電車で通学するのって、実際は大変そうだな~💦。乗り遅れたら悲劇だけど、絶対乗り遅れそうな気が (>_<)。。

 

ほっこり系鉄道小説

ペンギン鉄道なくしもの係 / 名取 佐和子

 なぜかペンギンが自由に乗り降りするローカル鉄道、通称・ペンギン鉄道🐧。

路線のはずれにある電車の忘れ物を管理する遺失物保管所「なくしもの係」には、赤毛のお兄さんとペンギンがいます。

なくしものを探して訪れた人々は、不思議なコンビに驚きながら、だんだんと自分と向き合ってゆくハートウォーミング小説です。

タイトルからファンタジーもので、ペンギンがしゃべったりするのかな~と思いきや、ごく普通に本物のペンギンがいて、マイペースに電車に乗ったり、自分でなくしもの係に戻ってきたりします🐧。

噂の大人気鉄道になりそうなものですが、乗客は慣れているので、騒ぐでもなく、「あ、またペンギン乗ってるな~」的な反応(笑)。ちなみに、なくしもの係には気温低めのペンギン部屋があります。

短編集なのですが、最後にそれぞれのお話が繋がっていきます。

ペンギンの可愛さはもちろんですが、お兄さんのゆるっとした言動が魅力です。

 

阪急電車 / 有川 浩

片道わずか15分のローカル線・阪急電車を舞台に、各駅ごとに、様々な主人公が繋いでゆく物語。電車に乗り合わせた乗客たちの人生が少しずつ交差し、小さな奇跡を紡いでゆくほっこりトレイン小説です。

オムニバス形式の短編集なのですが、袖振り合うもなんとやら的に、同じ電車を使う人々が、どこかで繋がってゆく様が素敵です。

阪急電車は関西方面の電車らしく、実際に見たことも乗ったこともないのですが、それでも十分に楽しめました。表紙の絵が阪急電車なのかな~?? だとしたら、レトロでお洒落な電車ですね。

 

鉄道といえば、ミステリー!

 オリエント急行殺人事件 / アガサ・クリスティ

 冬のヨーロッパを走る豪華寝台列車・オリエント急行。雪で立ち往生した車内で、アメリカの老富豪が刺殺体で発見されます。容疑者は、国籍、身分、職業など、目的地以外はまったく共通点のない乗客たち。

偶然乗り合わせた名探偵ポアロは、事件の捜査に乗り出しますが、なんと、すべての乗客たちに完璧なアリバイがー。

ミステリー史に残る永遠の名作です。

文句なしに面白い名作です!

超有名な作品ですが、初読時に何の前情報も入れていなかったので、純粋に驚きました😲。今の時代でこそ、結末を想像することもできるかもしれませんが、このトリックを最初に思い付いたのは凄いと思います。さすが、ミステリーの女王!!

 何度も映像化されていますが、個人的には、やっぱり本で読むのがおすすめですね。

ちなみに、オリエント急行は、西ヨーロッパから中東方面に向かう実在の豪華寝台特急で、クリスティ女史もよく乗車していたそうです。

特定の路線を走る列車を指しているのかと思っていましたが、実際はこのルートを走行している色々な列車をオリエント急行と呼んでいたようです。ほとんどが今では廃線となっていますが、のちに観光列車として復活したものもあるので、当時の風情を感じられるかもしれませんね。

「ヨーロッパは遠いよ~。そして高いよ~。」と思った方に朗報(笑)。箱根のラリック美術館には、実際に走行していたオリエント急行の車体が展示されており、カフェとして利用することができますよ☕。

 

青列車の秘密 / アガサ・クリスティ

 ニースに向かう豪華列車・ブルートレインの中で、大富豪の娘が殺害され、彼女が所持していた歴史的価値を持つルビー「火の心臓」も消えるという事件が発生。彼女の客室に入るところを目撃された別居中の夫が逮捕されます。

しかし、列車に乗り合わせた名探偵ポワロは、依頼を受け事件の捜査に乗り出します。

ポアロは、よく列車で事件に遭遇しますね。名探偵の宿命か!?

本作はポアロものですが、時々あるあまり彼が出てこないタイプの作品で、ヒロインにあたるキャサリンが物語の中心となっています。

殺人に、宝石盗難、ロマンスなど、色々な要素が錯綜しますが、いかんせん、アガサ・クリスティーが好きすぎて、一時読みまくっていたせいで、途中で犯人が分かってしまった作品です💧。

ちなみに、タイトルの青列車は、ザ・ブルー・トレインという夜行列車のことで、当時ヨーロッパを代表する豪華列車の一つでした。

 

 パディントン発4時50分 / アガサ・クリスティ

 列車の座席でふと目を覚ました老婦人は、窓から隣の線路を並走する列車の中で、まさに殺人が行われる瞬間を目撃します Σ( ̄ロ ̄lll)。

警察に通報するも、死体が発見されず、勘違いとして処理されてしまいますが、友人のミス・マープルだけは、彼女の主張を信じ、独自に調査を始めます。

実は、ミス・マープルがちょっと苦手で避けていたため、マープルものは数作しか読んだことがないのですが、この作品は結構面白く読めました。

並走する電車の殺人現場を目撃するという幕開け、被害者が誰なのかわからず、死体を見つけるところから始めるという展開がユニーク。

そして、高齢のミス・マープルに代わって実際に動くのが、高学歴ながら、スーパー家政婦になってバリバリ稼いでいるルーシー。彼女が魅力的でした。

イギリスは食事があんまり美味しくないイメージがありますが、ルーシーが作る料理がとっても美味しそうでした。クリスティの作品は、古き良き英国の文化が感じられるところも好きですね。

 

一番線に謎が到着します / 二宮 敦人

 郊外を走る蛍川鉄道の藤乃沢駅で働く若き鉄道員・夏目壮太。

忘れ物や幽霊の噂など、日々巻き起こる事件を、個性的な仲間と共に解決していきます。駅を舞台にした日常系謎解き小説。

ミステリーといっても殺人事件は起こりません。駅で起こる小さな謎を解いていくお話です。どちらかというと、ミステリーよりお仕事小説に近い感じがしました。といっても、東京駅が舞台の小説で紹介した『駅物語』のようなリアルな感じではなく、もうちょっとマイルドで爽やかテイストです。

登場人物が漫画やライトノベルに出てきそうなキャラクターで、サクサク読みやすい作品です。

「必ず涙する、感動の鉄道員ミステリ」と銘打たれていましたが、筆者は涙はしなかったので、そこは人によるかな~と思いました(^_^;)。

 

 

駅では不思議なことが起こる ノスタルジー小説 

地下鉄に乗って / 浅田 次郎

主人公・小沼真次は、世界的に有名な小沼グループの創立者・小沼佐吉の息子ながら、傲慢な父に反発し、高校卒業後に家を出て、40代になった現在では下着のセールスマンをしています。

ある日、地下鉄永田町駅の階段を上ると、真次の目の前に30年前の昭和39年の風景が広がっていました。そこで亡くなった兄の姿を見つけた真次は、なんとか兄が死なないよう、過去を変えようとしますがー。 

地下鉄に行くたびにタイムスリップする主人公。さらに、愛人のみち子も一緒に過去へ遡ってしまいます。

大正時代や戦後すぐなど、遡る時代もまちまちなのですが、生の雰囲気を感じる描写が凄いと思いました。特に戦後すぐ、闇市があった時代の日本の泥臭さ、逞しさは肌で感じるようでした。

そして、実は地下鉄が戦前からあるという事実に、びっくり😲。

東京の地下鉄はかなり入り組んでいるので、通路を歩いていると違う時代に出たり、なんてことも、この作品を読んでいるとありそうに思えてきます。

 

駅と、その町 / 眉村 卓

国鉄と私鉄が通る立身駅。この駅の周りでは次々と摩訶不思議な出来事が起こります。

未来から来た男、謎多き駅の売店員、街からよそ者を追い出す人ならざる魔性の存在「立身の化身」。駅と人と街から始まる奇妙な物語。

駅と、その町 (双葉文庫)

駅と、その町 (双葉文庫)

  • 作者: 眉村卓
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2014/06/27
  • メディア: Kindle版
 

舞台となる立身は、東京から近く、そこそこ栄え、程よく寂れた、どこにでもあるような土地。でも、街には独特の奇妙な雰囲気が漂います。

JRが国鉄だった時代、両方が通る立身駅では、かつては国鉄側だけが栄えていましたが、何もなかった私鉄側がどんどん開発されるにつれ、新しい住民が増えていきます。

古い伝統と新しい文化がせめぎ合い、四半世紀の間に変容していくひとつの街の中で起こる、不思議で不気味な出来事を描いた異色のSFです。

かなり昔の作品なので、昭和の空気や当時の時代背景を感じる一方、ひとつの街で古い住民と新しい住民のコミュニティがあるというのは、現代でも見られますよね。最近では武蔵小杉なんかは、長年住んでいる方もいれば、タワマンが立ち並んでから増えた新規住民も多そうですし。

 

列車に乗って不思議な世界へ ファンタジー児童文学

りんご畑の特別列車 / 柏葉 幸子

ピアノ教室から家に帰る列車に乗った小学5年生のユキは、自分以外の乗客たちがなぜかみんなりんご🍎を持っていることに気が付きます。実はこの列車、特別列車で、今回のきっぷはりんごだったのです🍎。

車掌さんに「きっぷをもっていない。」といわれ、りんご畑のまんなかの小さな駅でおろされてしまったユキ。列車に乗り合わせていた同じ学校の姉弟からメリィさんの旅行代理店へ行くよう告げられます。そこは、自分に合うたったひとつの異世界への旅を斡旋してくれる不思議な旅行代理店でした。

ちょっと疲れた女の子ユキがやってきた異世界には、魔法使いがいるのですが、みんなが想像するような凄い魔法はなく、「針に糸を通す」みたいな小さな魔法ばかり、しかも手でやったほうが早いという、ちょっと残念な魔法世界。でも魔法が廃れているのには理由があり、ユキも魔法を取り戻す冒険の旅に出ることになります。

特別列車に乗って異世界へ。夢がありますよね~(*'▽')。柏葉幸子さんの優しいファンタジー、大好きです。パンのなる木が美味しそうだったなあ~😋。

 

クレヨン王国からきたおよめさん / 福永令三

秋の運動会の総練習の朝、いつもとちがう1番電車にのった亜有子は、突然、見えない相手から攻撃を受けます。なんとこの電車「なぐり電車」だったのです🥊。

同じ電車に乗りあわせた高校生の夏江子と一緒に降りた駅にあったのは、なぐり電車でめちゃくちゃになぐられた人にしか見えない不思議なお店「カフェテラス クレヨン王国」

とっても美味しいクレープが名物なのですが、実はこのお店には裏メニューがあり、およめさんを注文できるのです!およめさんは脳内にやってきて、一ヵ月間共同生活を送るというシステム。

亜有子は勉強のおよめさん、夏江子はミステリー好きのおよめさんを注文しますが―。

クレヨン王国からきたおよめさん (講談社青い鳥文庫)

クレヨン王国からきたおよめさん (講談社青い鳥文庫)

  • 作者: 福永令三,三木由記子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: Kindle版
 

脳内にやってくるおよめさん、実はクレヨン王国追放予定者が一ヵ月後に決定の裁判を受ける前の状態だったりして、かなりキャラクターが強烈!

亜有子は成績が急上昇する一方、だんだん脳内のおよめさんによって別人のようになっていってしまいます。

友達だけどライバルでもあるお嬢様・桃や、まったく考え方の違うおよめさんとの向き合い方といった人間関係についてや、「自分って何?」「大事なものって何?」と問いかけるような結構深い内容なのですが、子供の頃に読んだ時は、ブルーサンセットという魅惑のクレープがとっても美味しそうで、それが一番印象に残っていました(笑)。

後半はちょっとサスペンス要素も加わった冒険活劇となり、ワクワクしたのを思い出します。

 

以上、駅や電車が舞台のおすすめ本でした!
どの駅、どの列車も、とても魅力的です✨。
なぐり電車や殺人事件には、出くわしたくないですが💦。